海外FX口座を開設する場合、『スタンダード口座(STP口座)』または『ECN口座』のいずれかを選択しますが、両者には違いがあるのにもかかわらず、とりあえずスタンダード(=普通、標準)なら『無難だろう』というイメージからスタンダード口座を開設してしまう方もいます。
そこで、ここではECN口座とSTP口座の違いや特徴を比較しながらおすすめの海外FX業者まで詳しく解説します。
なお、海外FXでは、ECN口座とSTP口座のどちらもNDD方式(ノーディーリングデスク方式)であり、ディーラーが取引に直接介入しないことから利益相反にならない透明性が高い取引方式が採用されています。
海外FX ECN口座の特徴
ECN方式とはElectric Communications Networkの略語であり、電子商取引という意味です、FXでは電子取引市場での取引となります。
電子取引市場はインターネット上の『中立的な取引を行う場所』であり、トレーダーからの注文は直接電子取引所に流されて、コンピューダ処理によって売買がマッチングされる仕組みです。
FX取引ではトレーダーは取引市場に直接発注できない仕組みとなっており、FX業者がトレーダーと取引市場を仲介しています。海外FX業者もトレーダーの注文を仲介しますが、トレーダーの注文は取引市場に直接流されるのでトレーダーと海外FX業者による相対取引にはなりません。トレーダーと海外FX業者に利益相反関係が生じないことから非常に透明性の高い取引が提供されています。
板情報、気配値を確認できる
ECNの大きな特徴は、板情報と気配値が見れる点です。
上図のとおり、この板情報と気配値が見れるメリットは、
- 各レートの売買注文の量を見れる
- カバー先の取引内容を見ることができる
ことから、非常に透明性が高い取引に参加できるということです。
そして、上図のように買い(BUY)注文が売り(SELL)注文よりも上回っていれば、『買い注文が多いのでレートが上昇しそうだな』と予想しやすいのです。
取引量しだいで約定力が決まる
ECN取引では、取引量が多いほど優れた約定力を発揮できます。
取引量が少ないと流動性が低くなってしまい、理論上、注文をマッチングさせる相手がなかなか見つからないと約定されにくくなります。マッチングされないケースは稀ですが、取引量が多い方が素早いマッチングによって約定スピードが早くなります。従って、口座開設数が多い海外FX業者の方が有利となります。
スプレッドが狭いが手数料がかかる
ECN取引では電子取引市場を経由したインターバンク市場取引になるのでスプレッドはかなり狭いですが、取引ごとに手数料がかかります(FX業者の電子取引所への参加費用分がメイン)。したがって、取引手数料を含めた実質スプレッドがいくらなのかを把握する必要があります。
通常、どの業者でもECN口座の手数料込みのスプレッドはスタンダード口座よりも狭い傾向であり、取引手数料は通常固定です。
海外FX STP口座の特徴
STP取引とは、Straight Through Processingの略語です。注文から約定、決済までの一連のプロセスをシステムで自動処理するのでECNと同様に海外FX業者が取引に関与しなので非常に透明性が高い取引です。
トレーダーの注文はFX業者から大口銀行、LP(リクイディティプロバイダー)などのカバー先に流され、カバー先の中からトレーダーの注文価格に最適なものがマッチングされるので最良最善な価格での取引が可能です。
カバー先の数が多いほど注文がマッチングされやすいことから、カバー先の数が多い海外FX業者の方が有利となる傾向があります。したがって、約定力を重視される方には、AXIORY、TitanFX、LAND-FXのようにカバー先の社数などを公開している海外FX業者の方が安心できるでしょう。特に、LAND-FXは複数のカバー先を起用しながら自らもリクイディティプロバイダー事業を営んでいます。
STP口座では板情報と気配値を見れない点でECN口座よりも劣っているデメリットもあります。
優れたリクイディティによる高い約定力
STPは下図のとおり、ECNの『流動性を補完する役割』として生まれたシステムです。流動性を維持するために大口銀行などのカバー先金融機関が加えられているので流動性(リクイディティ)が高く、約定力が高いです。
スプレッドと手数料
STP口座のスプレッドはFX業者に上乗せされますが手数料はかかりません。通常、スプレッドはどのFX業者でもECNよりも広めです。
海外FX ECN口座とSTP口座比較表
両者の比較をまとめは以下のとおりです。
板情報・気配値 | 透明性 | 約定力 | スプレッド | 手数料 | |
ECN口座 | 見れる | 高い | 高い (流動性次第) | 安い | 有料 |
STP口座 | 見れない | ECNより劣るが 高い(NDD取引) | 高い (流動性次第) | 普通 (業者間差あり) | 無料 |
※約定力の流動性次第: 取引量が多いほど流動性が高いので、顧客口座数が多いFX業者の流動性は高く約定力は優れる。
それぞれに良し悪しがあり、何を重視するかによって評価と選択が変わるでしょう。
海外FX業者のECN口座比較
当サイト厳選海外FX業者のスペックを比較してみましょう。
ECN口座:主なスペック比較
取引手数料(ロット片道)はAXIORYとHotForexが業界最安値水準です。
1ロットは100,000通貨、0.01ロット=1,000通貨。
口座タイプ | 最大レバレッジ | 手数料(片道) | 最小取引ロット | 最低入金額 | |
XM (エックスエム) | ゼロ口座 | 500倍 | 5ドル | 0.01 | 200ドル |
AXIORY (アキシオリー) | ナノスプレッド | 500倍 | 3ドル | 0.01 | 200ドル |
TitanFX (タイタンFX) | ブレード口座 | 500倍 | 3.5ドル | 0.01 | 200ドル |
HotForex (ホットフォレックス) | ゼロ口座 VIP口座 | 200倍 300倍 | 3ドル 4ドル | 0.01 | 100ドル |
LAND-FX (ランドFX) | ECN口座 | 500倍 | 3.5ドル | 0.01 | 2,000ドル |
ECN口座 スプレッド比較
次に主要通貨ペアでの手数料込みのスプレッドを比較してみましょう、( )内が手数料込みの数値(pips)です。
手数料込みの平均スプレッドはAXIORYが一番安く、次いでTitanFXとHotForexが同レベルであり、ECN口座ではこの3社がおすすめです。LAND-FXもかなり安い方ですが最低入金額2,000ドルは高いと感じる方もいるかもしれません。
ユーロ/円と英ポンド/円は一番安いXMがおすすめです。
( )内手数料込み | ユーロ/米ドル | 米ドル/円 | ユーロ/円 | 英ポンド/円 | 平均スプレッド (手数料込み) |
XM (エックスエム) | 0.3(1.3) | 0.4(1.4) | 0.5(1.5) | 0.7(1.7) | 1.48 |
AXIORY (アキシオリー) | 0.4(1.0) | 0.5(1.1) | 0.7(1.3) | 0.8(1.4) | 1.20 |
TitanFX (タイタンFX) | 0.3(0.9) | 0.2(0.8) | 0.6(1.2) | 1.4(2.0) | 1.225 |
HotForex (ホットフォレックス) | 0.1(0.7) | 0.2(0.8) | 0.8(1.4) | 1.4(2.0) | 1.225 |
LAND-FX (ランドFX) | 0.1(0.7) | 0.9(1.5) | 1.0(1.6) | 1.0(1.6) | 1.35 |
海外FX業者のSTP口座比較
STP口座:主なスペック比較(取引手数料は無料)
1ロットは100,000通貨、0.01ロット=1,000通貨、0.00001ロット=10通貨。
最大レバレッジ、最少取引通貨量と最低入金で際立っているHotForexとXMがおすすめです。少しずつトレードを増やしていきたい初心者などに最適です。
※LAND-FXの100%ボーナスプラス口座(STP口座)の最低入金額は100ドルです。
口座タイプ | 最大レバレッジ | 最小取引ロット | 最低入金額 | |
XM (エックスエム) | マイクロ口座 スタンダード口座 | 888倍 | 0.00001 0.01 | 5ドル |
AXIORY (アキシオリー) | スタンダード口座 | 400倍 | 0.01 | 200ドル |
TitanFX (タイタンFX) | スタンダード口座 | 500倍 | 0.01 | 200ドル |
HotForex (ホットフォレックス) | マイクロ口座 | 1,000倍 | 0.01 | 5ドル |
LAND-FX (ランドFX) | ライブ口座 | 500倍 | 0.01 | 300ドル(※100ドル) |
STP口座 スプレッド比較
業者ごとに有利・不利な通貨ペアがありますが、STP口座ではAXIORYとHotForexのスプレッドが狭いのでおすすめです。
スプレッド以外のレバレッジ、最低取引ロット、最低入金額なども考慮するならばXMもおすすめの口座となります。
ユーロ/米ドル | 米ドル/円 | ユーロ/円 | 英ポンド/円 | 平均スプレッド (手数料込み) | |
XM (エックスエム) | 1.7 | 1.9 | 2.7 | 2.9 | 2.28 |
AXIORY (アキシオリー) | 1.4 | 0.9 | 0.9 | 1.1 | 1.00 |
TitanFX (タイタンFX) | 0.8 | 1.3 | 1.6 | 2.3 | 1.50 |
HotForex (ホットフォレックス) | 1.1 | 0.9 | 1.6 | 2.3 | 1.45 |
LAND-FX (ランドFX) | 1.1 | 1.3 | 1.8 | 1.9 | 1.53 |
その他の通貨ペア、最小スプレッドと平均スプレッドを比較したい方は下記の関連記事もご覧ください。
海外FX スキャルピングに適した業者
スキャルピングに適しているECN口座は、AXIORYのナノスプレッド口座、TitanFXのブレード口座とHotForexのゼロ口座であり、とくにAXIORYはSTP口座でも他社よりもやすいので最もスキャルピングに適していると言えます。
海外FX デイトレードに適した業者
AXIORYとHotForexのスタンダード口座がデイトレードにもおすすめで、口座開設ボーナスと入金ボーナスが充実しており最小取引ロットと最低入金額が低いXMは扱いやすさの面でおすすめです。
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