ファンダメンタルズ分析とは、経済指標などから世の中の動きを分析し、為替レートの上下変動を予測するための分析方法です。
ファンダメンタルズ分析 その1 為替相場が変動する理由では、ファンダメンタルズ分析における最も基本的な指標が『通貨の金利』であると解説しましたが、『通貨の金利』は『金融政策』によって決められていることから、今回は、金融政策、政策金利と為替相場の相関関係についてみていきます。
金融政策とは何か
『金融緩和、金融引き締め』という言葉を聞いたことがあると思いますが、金融政策とは、中央銀行(日本で言えば日本銀行)が行う『金融面での経済政策』のことです。
日本経済の景気後退局面が鮮明となり、日本銀行が量的緩和を実施する… といったように、基本的には経済の活性化と安定化を目的とした『金融緩和策、金融引き締め策』といった経済政策のことを指します。
代表的な政策として、『政策金利の調整』があります。
政策金利は、景気が過熱しすぎた場合には金利を引き上げ(利上げ)て景気を冷まそうとし、反対に景気が後退する場面では金利を引き下げ(利下げ)て景気の失速を防ごうとします。
そして、ファンダメンタルズ分析では、各国の金融政策に基づく『政策金利の調整』が注目されています。
下図は主要各国の政策金利の推移です。2015年9月時点では、日本0.1%、米国0.25%、英国0.5%、スイス0.00%あたりが低金利政策を実施しており、一方、ニュージーランド2.5%、豪州3.0%、南アフリカ5.5%などは高い政策金利を設定しています。
政策金利の変動で為替レートが動く
なぜ政策金利が変動すると為替レートも動くのか?
それは一般的な投資行動を考えてみればお分かりになるかと思います(前回ファンダメンタルズ分析その1でも触れたことです)。
日本円の金利が低く、米ドルの金利が高い場合で考えると、トレーダーはより有利な金利、つまりより多くの利息を求めて日本円の資産の比率を減らして、米国ドルの資産の比率を増やそうとします。
金利の高い米ドルを買う動きが増えることによって『円安ドル高』となります。
日本円の政策金利がそのままで、米ドルの政策金利が引き下げられた場合で考えるなら、トレーダーにとって米ドルの金利は以前よりは魅力が下り、日本円を買う動きが出てきて円高ドル安の方向にレートが動きます。
政策金利と為替相場の相関関係
政策金利と為替相場には相関関係があります。
下記の通り、各国の政策金利の推移に同調しながら為替レートも推移する傾向が見て取れます。
このように各国の政策金利と為替レートには相関性があり、政策金利の変動は為替レートに影響を及ぼしているといえます。
まとめ
- 金融政策とは、中央銀行(日本で言えば日本銀行)が行う『金融面での経済政策』のこと。
- 『政策金利の調整』は代表的な金融政策である。
- トレーダーはより有利な金利、つまりより多くの利息を求めるので、政策金利が変動すると為替レートが動く。
- 政策金利と為替相場の動きには相関関係がある。
次回はファンダメンタルズ分析において注目される経済指標等とその活用方法について解説します。
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