ファンダメンタルズ分析とは、経済指標などから世の中の動きを分析し、為替レートの上下変動を予測するための分析方法です。
FX取引で勝率をアップさせるために、ファンダメンタルズ分析を通じて、どんな変動要因があり、変動要因がどのように影響し、その影響度によってどのように変動するのかを解説していきます。
為替相場が変動する理由
通貨の人気度=通貨の価値
為替が変動する根本的な理由は、その国の通貨の人気度です。
通貨の人気が上がれば、その通貨の価値=レートは上がり、人気度が下がればその通貨の価値=レートは下がります。
例えば、1ドル120円だったのが1ドル118円になれば、2円円高ですから円の価値が高くなったといえます。
需要が高い=買われる、需要が低い=売られる
一つの通貨を買われれば必ずもう一方の通貨が売られるのがFX取引です。
例えば、米ドル/日本円の通貨ペアなら、米ドルが買われれば日本円が売られます。
2国間の景気や経済成長などを比較した場合、好景気で経済が成長している国の通貨は人気が上がり買われのでレートも上がり、もう一方の通貨は人気がないので売られるためレートは下がります。
為替レートは需要と供給の関係で成り立っており、需要が高い(人気が高い)=買われる、需要が低い(人気が低い)=売られることになります。
基本的な為替の変動要因
為替レートは通貨の人気度によって変動するわけですが、ファンダメンタルズ分析では、通貨の人気度を決定するとされる経済指標等を変動要因として注目します。
ここでは最も基本的な5つについて解説いたします。
- 通貨の金利
- 貿易収支
- 経済指標、要人発言など
- 投機筋の投機目的の為替変動
- 災害や戦争などの有事なども大きく為替を動かします
1. 通貨の金利
ファンダメンタルズ分析の最も基本的な指標は『通貨の金利』であり、為替変動に大きな影響を与えます。
一般的には高金利の通貨は人気が上がり、低金利の通貨は人気が下がります。
各国の中央銀行等が決める政策金利が主な指標となっており、通貨間の金利差が広がると、金利の高い通貨が買われ、逆に金利の低い通貨は売られます。
たとえば、オーストラリアドルの年利2%に対し日本円が年利0.1%ならば100万円分預けるとオーストラリアドルは2万円、日本円は千円の金利が付くので、当然金利の高い豪ドルが買われやすくなります。 豪ドルを買えば円は売られて円安豪ドル高となるわけです。
2. 貿易収支
『貿易黒字』が増えると受け取った外貨を自国の通貨(日本なら円)に換えるので(円買い)自国通貨のレートが高くなり、逆に『貿易赤字』になれば自国の通貨が売られてレートが下がりやすくなります。
- 貿易黒字=得た外貨を自国通貨に換える(自国通貨を買う)=自国通貨のレートが上がる
- 貿易赤字=自国通貨の人気が下がり売られる=自国通貨のレートが下がる
3. 経済指標、要人発言など
各国の経済指標の発表、各国中央銀行総裁や日銀総裁の発言、中央銀行の金利政策の発表、日本の首相、アメリカ大統領、アメリカの連邦準備理事会などの発言などにも影響されます。
4. 投機筋の動向
投機目的で大きな資金を使って為替を動かし利益を稼ぐ集団や団体、証券会社などの動向も為替に影響を及ぼします。
5. 戦争やテロ、災害などの有事
戦争やテロ、災害の起こった国の通貨は一時的に大幅に売られる傾向が強いです。
次はファンダメンタルズ分析に用いられる「通貨の金利」と密接にかかわる「金融政策」について解説いたします。
まとめ
- 通貨の人気度によって為替は変動する
- 人気が高い=レートが上がる、人気が低い=レートが下る
- 2国間の景気や経済成長などを比較した場合、好景気で経済成長力がある国の通貨は人気が高い
- 為替レートは需要と供給の関係で成り立っており、需要が高い(人気が高い)=買われる、需要が低い(人気が低い)=売られる
- ファンダメンタルズ分析では、通貨の人気度を決定するとされる経済指標等を変動要因として注目します。
- 為替レートの代表的な変動要因は、『通貨の金利』『貿易収支』『経済指標、要人発言など』『投機筋の動向』『戦争やテロ、災害などの事件』
次はファンダメンタルズ分析に用いられる通貨の金利と密接にかかわる『金融政策』について解説いたします。
コメント