FXのトレードツールにVPSを導入すると、
- 自動売買(EA)を24時間稼働させられる
- 約定スピードがアップする
- スプレッドが狭くなり、トレードコストが下がる
- 突発的な事故に対応できる
といったメリットがあります。
これらのメリットをMT4/M5に加えるために、信頼性の高いVPSを安い価格で導入する方法を説明します。
この記事では、VPSの仕組みと必要性、FX専用のVPSを比較、おすすめのVPSの導入方法まで解説します。
VPSとは?
VPSとは「Virtual Privete server」の略で、日本語で「仮想専用サーバー」であり、1台の物理的なサーバーの中に、仮想的に機能する複数の専用サーバーを構築しています。仮想的な専用サーバーの中でパソコンを稼働させる、ような利用の仕方があります。
FXでのVPSの使われ方
FXにおけるVPSの仕組みは、トレーダーのMT4/MT5をVPSサーバーにインストールして稼働させます。MT4に自動売買が設定されていれば24時間稼働しポジションを持ったり決済します。また、トレーダーがパソコンから操作することも可能です。
そして、VPSサーバーとFXブローカーのトレードサーバーが近ければ近いほどレイテンシー(遅延)が抑えられ約定スピードが向上します。また、自宅でパソコンを稼働させる必要もなくなるので電気代を節約できるメリットがあります。
MT4を24時間稼働させるために必要
MT4/MT5におけるFX自動売買(EA)では、パソコンを24時間インターネットに接続させておく必要があります。FX自動売買がポジションを建てたり決済する際にパソコンが常に正常に稼働している必要がありますが、停電や故障などによってパソコンが停止する危険性があります。
MT4によるFX自動売買は、人手要らずで機械任せにできる利点がありますが、本格的な自動売買を目指すには、そのようなリスクを無くすためにVPSが必要なのです。
スプレッドが安定し、狭くなる
VPSを導入するとレイテンシー(遅延)を抑えて約定スピードが向上すると申し上げました、約定スピードがアップするとスプレッドも安定し狭くなる傾向があります。FXではトレードコストを低くすることも重要なので、スプレッドが狭くなるほど自動売買(EA)だけではなくスキャルピングなどにも有利に働きます。
たとえば、相場状況にもよりますが、自動売買(EA)の場合でもトレード回数が多くなることもあり、スキャルピングの場合も同様にスプレッドが狭くなるほど費用を少なくできるメリットがあります。
それでは、FXで使われている代表的なVPSサービスを比較していきましょう。
代表的なVPSサービスを比較
MT4に特化している代表的なVPSサービスには以下があります。
- 日本国内: お名前.com デスクトップクラウド for MT4
- 海外: Meta TraderのVPSサービス
- 海外: XMのVPSサービス
以下で各々のスペックを比較します。
VPS3社を比較、安いのは海外VPS!
お名前.comはご存知の方も多いと思いますが、Meta TraderのVPSは、MT4やMT5を開発したMetaQuotes社が運営しているMQL5でリリースされているサービスです。XMのVPSは、海外FX業者のXMが提供しており、世界的に大手のホスティングサービス事業者であるBEEKS社のVPSを利用できます。
お名前.com デスクトップクラウド for MT4 | Meta Trader VPSサービス | XM VPSサービス | |
OS | Windows Server 2019 | Windows Server 2012 | Windows Server 2012 |
メモリ | 1.5GB | 3GB | 1.5GB |
ディスク容量 | 50GB | 16GB | 20GB |
VPS設置場所 | 日本 | ロンドンなど | ロンドン |
トレードサーバ 設置場所 | 日本国内 (国内FX会社) | 海外FX業者の トレードサーバー | XMは ロンドン |
MT4複数稼働 | 可能 | 可能 約80 | 可能 |
月額利用料(税別) | 1ヶ月契約 2,950円 6ヶ月契約 2,655円 1年契約 2,360円 2年契約2,300円 | 1ヶ月契約 1,000円 3ヶ月契約 2,800円 6ヶ月契約 5,500円 1年契約10,000円 | 一律2,800円 ※口座残高5,000ドル以上かつ毎月取引量5ロット以上なら無料 |
価格的にはMeta TraderのVPSが断トツに安いですが、上記のスペックを見て、どれがベストなのかお分かりになりますか?
管理人は、安さに加え、以下の理由からXMとMeta Traderのサービスを利用しています。
VPSとFXブローカーのトレードサーバーが近いほど性能が高い
メモリやディスク容量などが評価対象となることが多いですが、VPSとトレードサーバーの設置場所も非常に重要です。その理由は、メモリとディスク容量が大きくても通信距離が長いと通信速度が遅くなるからです。
したがって、海外FX口座を使用している管理人は、VPSとトレードサーバーが同じロンドンに設置されていて、通信距離が短いXMとMeta TraderのVPSを利用しています。
つまり、XMの取引口座でトレードを行う場合はXMのVPSサーバーを利用し、その他の海外FX業者を使う時にはMeta Traderのサービスを利用しています。
たとえば、XMを利用する場合のお名前.comの通信速度は平均250msですが、XMのVPSでは平均10msまで下がるので、その差分が約定力の向上につながります。
ロンドンなど海外VPSならスプレッドを狭くできる
約定力がアップすることで、0.2~0.3pipsくらい狭いスプレッドに期待できます。
これくらいスプレッドが狭くなるのであれば、通貨ペアにもよりますが「スタンダード口座(STP口座)」の方が取引手数料込みのECN口座のスプレッドよりも有利になることもあります。
たとえば、XMのドル/円の平均スプレッドは、スタンダード口座1.2pips、ゼロ口座(ECN口座)1.0pipsなのですが、0.2~0.3pips狭くなれば互角となります、もちろん、ゼロ口座も同じ幅くらい下がりますが。
安くて性能が良いことから、海外FXでの自動売買にはMeta Trader及びXMのVPSの方が優れており、スキャルピングを多用するトレーダーにも最適だと言えます。
VPSをMT4/MT5に導入する手順
ここからは、Meta TraderのVPSを導入する方法を説明します。
なお、XMのVPSの導入方法を知りたい方は、以下の記事をお読みください。
利用契約と決済方法
まず、MT4/MT5のナビゲーター内の現在ログイン中の「口座番号とご本人のお名前」部を右クリックし「バーチャルサーバーを登録」をクリックします。
登録ウィザードが表示されたらプランを選択し「次へ」をクリックします(画像では10USD 1ヶ月のレンタルを選択しています)。
すでにMQL5アカウントに登録済みの方は、ログイン・パスワード欄に入力して「次へ」をクリックします。
MQL5アカウントに未登録の方は、新規ログイン(任意のユーザー名を入力)・Eメールに入力してから「次へ」をクリックします。
パスワードがメールで送られてきたらログインしてから先に進みます。
「私はバーチャルホスティングサービス規約に同意します」にチェックを入れたら支払い方法を指定するため支払い方法の画像をクリックします。ここではクレジットカードをクリックします。
決済情報入力の画面が表示されたら各種情報欄に入力し、間違いがなければ「SUBMIT」をクリックすれば完了です。
自動売買(EA)やシグナルの設定をVPSに反映させる方法
使用しているEAやシグナルなどのローカル環境の設定をMT4/MT5から自動的にVPSサーバーに移管するには以下の設定を行います。
以下の3種類の移管方法が用意されており、いずれかを選択したら「Migrate Now」をクリックします。
- ALL:シグナル、インジケーター、自動売買(EA)全てを利用する場合
- Experts:インジケーター、EAを利用する場合
- Siganl:シグナルのみを利用する場合
ALLを選択しておけばEA、シグナルなどを全て利用でき、特にデメリットが生じることはないのでALLをおすすめします。また、この設定はいつでも変更可能です。
移管の手続きが正常に完了すると、ナビゲーターの「口座」の下にVPSが表示されるので、そこを右クリックするとVPSの詳細やログを確認できたり、接続と停止、解約をできます。解約はいつでも簡単に可能、解約をクリックすると確認ダイヤログが表示されるのでOKをクリックするだけです。
もしローカルとVPSサーバーが同期(シンクロ)していないと感じた場合は、上記の「Synchronize~」から同期作業を行ってみましょう。
ここまででVPSの登録・移管作業は完了となります。同期しているか、EAやシグナルが正常に動作しているかなどを確認しつつ動作確認を行いましょう。エラーや正常に動作していない場合は、「Journal」でログが表示されているはずなので確認チェックしましょう。
VPS契約の自動更新方法
VPS契約の自動更新を設定しないまま契約期限が到来するとサービスが利用できなくなり、EAやシグナルを安全に稼働させることが出来なくなります。
そのため、自動売買などを継続稼働させるのであれば自動更新の設定をおすすめします。
アカウントにログインし、ページ右上のアカウント①をクリックしプロフィール画面の左メニューの最下段にあるHosting②をクリックします。
設定したいVPSにマウスカーソルを当てると歯車マークが出るので自動更新設定には「Automatically renew」をクリックしチェックが表示されたら自動更新の設定は完了です。
解約はいつでも可能であり、解約するときは「Cancel subscription」をクリックします(一時停止ではないのでご注意ください)。
VPSの設定というと少々複雑なイメージがありますが、上記のとおり簡単な手順で済むのでどなたでも導入できます。
VPS利用上の注意点
EAは自動的に有効になり無効にできない
MT4はEAを無効にすることができますが、VPSを利用している場合は、EAは自動的に有効になり無効にできません。そのため、利用しないEAをチャート上に出しておくと稼働してしまうので消すようにしましょう。
DLLは使用できない
DLLコールは許可されていないのでエラーが出てしまいます。
XMがメイン口座なら無料VPSがおすすめ
XMをメイン口座にするのであれば、やはりXMの無料VPSがおすすめです。メイン口座して口座残高をある程度の高さに維持できれば無料でVPSを利用できるからです。
つまり、以下の利用条件を満たしていれば無料で利用できます。
- 口座残高が5,000ドルあるいは相当額以上
- 毎月取引量が5ロット(往復)以上
- 口座残高5,000ドルは同じメールアドレスで登録されているXM口座の残高を合算した額
XMのVPSのメリットやVPSへの接続方法などの詳細は以下の記事でご確認ください。
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