XMでは最大888倍のハイレバレッジで取引が可能で、レバレッジ倍率が高いほど証拠金を少額にできるメリットがありますが、証拠金残高に余裕が少ない状態でレバレッジ倍率が高すぎると強制ロスカットのリスクも高まります。
この記事では、証拠金の計算方法、証拠金維持率、ロスカットの仕組と強制ロスカットにならないための方法など、XMのFX口座で強制ロスカットを回避するために必要な知識を丸々解説します。
XMの証拠金の全てを完全解説
XMの証拠金計算はとっても簡単
XMでも取引を行うためには資金を入金し証拠金が必要です。
証拠金とは、ポジションを建てる際に取引金額(ロット)に応じて必要となる預託金のことであり、計算方法は以下の通りです。
<必要証拠金の計算式>
通貨ペアのレート ✖ {ロット数 ✖ 取引単位 ÷ レバレッジ}
取引単位とレバレッジ
取引単位とレバレッジは口座タイプで異なります。
口座タイプ | 取引単位 | 最大レバレッジ |
スタンダード口座 | 1ロット=100,000通貨 | ~888倍 |
ゼロ口座 | 1ロット=100,000通貨 | ~500倍 |
マイクロ口座 | 1ロット=1,000通貨 | ~888倍 |
XMでの1ロットの必要証拠金、ドル/円は12,000円以下!
XMで、ドル/円の1ロット(10万通貨)を最大888倍でトレードするときの必要証拠金は12,000円以下で済みます。
- XM:11,261円 ⇒ドル/円 100円 ✖ {1 ✖ 100,000 ÷ 888}
- 国内FX:400,000円 ⇒ドル/円 100円 ✖ {1 ✖ 100,000 ÷ 25}
国内FXの最大レバレッジは25倍なので多額の証拠金となりますが、XMの必要証拠金は少額で済みます。
XMで必要証拠金を一発計算できるFX計算ツール
XMのFX計算ツールの公式サイト
XMでは上記の証拠金計算を自動的に計算してくれる計算機ツールを公式サイトで利用できます。銘柄、ロットサイズとレバレッジを決めれば算出できるので便利なツールです。
以下の項目に入力すると計算できます、ドル/円 1ロット、レバレッジ888倍の場合。
- 口座の基本通貨:JPY(日本円)
- 通貨ペア:USD JPY(ドル/円)
- 口座タイプ:スタンダード(1 lot=100,000)
- ロット数量:1
- レバレッジ:888倍
- 現在の変換価格:その時点の相場レートが表示される
上記を入力し「計算する」を押すと「必要証拠金(JPY)」が表示されます、上記の場合は11,879.5円が1ロットの必要証拠金となっています。
XMでの必要証拠金の早見表(口座タイプ別)
XMで1ロットのポジションを保有するのに必要な証拠金を通貨ペア別に一覧にまとめています。
XMでは、口座タイプによって最大レバレッジと取引単位が異なり、銘柄によっても最大レバレッジが異なるものもあるので、ケースバイケースで必要証拠金が異なるので注意しましょう。
XMのスタンダード口座:1ロットの必要証拠金
※2020年9月25日時点のレートで算出した結果です。
通貨ペア(銘柄) | 最大レバレッジ | 必要証拠金 |
EUR/USD | 888B倍 | 13,845円 |
GBP/USD | 888B倍 | 15,132円 |
EUR/JPY | 888B倍 | 13,845円 |
USD/JPY | 888B倍 | 11,862円 |
GBP/JPY | 888B倍 | 15,133円 |
AUD/JPY | 888B倍 | 8,382円 |
NZD/JPY | 888B倍 | 7,779円 |
XMのゼロ口座:1ロットの必要証拠金
※2020年9月25日時点のレートで算出した結果です。
通貨ペア | 最大レバレッジ | 必要証拠金 |
EUR/USD | 500倍 | 24,589円 |
GBP/USD | 500倍 | 26,877円 |
EUR/JPY | 500倍 | 24,591円 |
USD/JPY | 500倍 | 21,071円 |
GBP/JPY | 500倍 | 26,880円 |
AUD/JPY | 500倍 | 14,887円 |
NZD/JPY | 500倍 | 13,815円 |
XMのマイクロ口座:1ロットの必要証拠金
※2020年9月25日時点のレートで算出した結果です。
通貨ペア | 最大レバレッジ | 必要証拠金 |
EUR/USD | 888倍 | 245円 |
GBP/USD | 888倍 | 268円 |
EUR/JPY | 888倍 | 246円 |
USD/JPY | 888倍 | 211円 |
GBP/JPY | 888倍 | 269円 |
AUD/JPY | 888倍 | 148円 |
NZD/JPY | 888倍 | 138円 |
XMでも強制ロスカットに注意!ロスカットを回避する方法
強制ロスカットとは?
強制ロスカットとは、損失が累積して損失額が一定の割合以上に達すると、FX業者によってポジションが強制的に決済されることです。FX業者は、一定以上の証拠金残高を守るためにポジションを閉じて顧客の資金を守ろうとします。
一般に、強制ロスカットの水準に近づくと、まず、証拠金不足に陥りそうであることをマージンコールという警告が発動されて、さらに証拠金維持率が低下すると強制ロスカットします。
XMでは証拠金維持率20%以下で強制ロスカット
XMでは、
- 証拠金維持率が50%以下となるとマージンコールが発動
- 証拠金維持率が20%以下となると強制ロスカットが発動
また、XMでは、証拠金維持率が0%以下(=証拠金残高がマイナス)となるとゼロカットが発動します。ゼロカットが発動すると証拠金を超える損失をゼロにリセットするため追証が発生しません。
XMを含めた海外FXでは、相場急変時のスリッページなどでロスカットが即座に発動しないことで証拠金以上の損失が発生しても追証を負わずに済むので、ロスカットしかない国内FXよりも海外FXの方が安全だと言えます。
証拠金維持率と計算方法
証拠金維持率とは、口座の有効証拠金に対する必要証拠金の割合であり、強制ロスカットとマージンコールが発動する基準が証拠金維持率です。
有効証拠金残高の割合が大きいほど証拠金維持率が大きくなります、以下の計算式で導き出されます。
証拠金維持率=有効証拠金 ÷ 必要証拠金 ✖ 100
口座の有効証拠金残が100万円ある場合、以下の必要証拠金でポジションを建てた場合、途中で含み損が発生した場合の証拠金維持率の例で挙げてみます。
資金残高 | 含み損 | 有効証拠金 | 必要証拠金 | 証拠金維持率 |
100万円 | なし | 100万円 | 20万円 | 500倍 |
100万円 | 80万円 | 20万円 | 20万円 | 100倍 |
上記を図で示すと以下となります。
XMで888倍、1万円の証拠金で取引するとすぐ強制ロスカットする
せっかくXMを使うなら証拠金を少なくできる最大レバレッジ888倍を使ってみようと考える人は多いかもしれません。
そして、必要証拠金とレバレッジの関係については、よく以下の意見が上がることが多く、どっちが正しいのか迷う人も多いとい思います。
- ハイレバレッジにするとロスカットになりにくい
- ハイレバレッジにするとロスカットしやすい
実は両方とも正しい考え方なのです。
上記の1は、ハイレバレッジによって必要証拠金を少額にした上で口座の有効証拠金に余力があるとロスカットになりにくいです。また、上記の2は、有効証拠金残高が少ないのに有効証拠金に目一杯レバレッジをかけるとロスカットしやすくなります。
要するに、ハイレバレッジであっても有効証拠金に十分余力があればロスカットを回避しやすいのです。
証拠金に目一杯レバレッジをかけない取引が重要
以下のシミュレーションのように、XMで1万円を入金し、最大888倍のレバレッジで888万円(88,800通貨)の取引した場合を考えてみましょう。
10,000円の純資産に対し必要証拠金は10,000円なので証拠金維持率100%なのですでに安全な水準ではなく、ロスカットレートを見ると9.1pips逆行しただけで証拠金維持率20%を割り込んで強制ロスカットとなります。
このように、証拠金維持率が最初から100%になるような、資金に対して目一杯レバレッジをかけた取引を行うと、レートがちょっとでも逆行すると強制ロスカットしてしまうため、XMでハイレバをかけると強制ロスカットしやすいという声がでてくるのです。
証拠金維持率は最低でも300%以上をキープしよう
ハイレバレッジで取引しても有効証拠金の余力が高いほど安全なので、証拠金維持率は「最低でも300%以上」を維持するようにしましょう。もっと損失許容範囲(逆行pips)を広くしたければ、以下のように、同じ有効証拠金なら取引数量を下げるようにしましょう。
XMで強制ロスカットを回避するためには
ここまでで有効証拠金に余力を持たせること、証拠金維持率を高めにキープしながら取引することがお分かりになったと思います。
とにかくXMで強制ロスカットの憂き目に遭わないためには、必要証拠金に対して有効証拠金の割合を高めておけばいいのです。
そのためには、証拠金維持率が下がってきたな、証拠金維持率を元の水準まで戻さなくては、と感じた時には「追加入金して証拠金を増やす」「保有ポジションの一部を決済して必要証拠金を減らす」ことが必要です。また、ポジションを保有する前に「あらかじめ損切りレートを決めておく」ことも重要です。
証拠金を追加する(追加入金)
有効証拠金に余力があったのに含み損が増えてしまい証拠金維持率が低下し始めた時には、早めに追加入金して有効証拠金残高を増やして証拠金維持率を上昇させましょう。
ただし、追加入金するタイミングには注意しましょう!
含み損が増えている状況で、逆行トレンドがまだ続くようなタイミングで証拠金を追加してしまうと、含み損がさらに増えて証拠金維持率が再び低下してしまう可能性があります。したがって、トレンドが転換した後に追加入金するか、以下の保有ポジションの一部を決済してから追加入金する、といった工夫が必要です。
保有ポジションの一部を決済する
ポジションの一部を手仕舞うことで、必要証拠金が減って、証拠金維持率が上昇します。
追加入金せずポジションを増やしていくと必要証拠金が増えていくので、複数のポジションを抱えている場合は、一部のポジションを決済することで必要証拠金を減らして証拠金維持率を高くすることができます。
また、一つだけのポジションの場合は、MT4では分割決済(部分決済)ができるので、必要証拠金を少しでも減らすことができます。
損切りルールを必ず決めてからトレードする
含み損が増えて続けて、証拠金維持率の低下が止まらないような状況では「潔く損切り」しましょう。
含み損が膨れ上がっている場合、もう少し我慢すれば挽回できるかもと考えるトレーダーが多いですが、実際はなかなか取り戻すのは困難です。したがって、損失の傷口を大きくしてしまう前に「損切り」を行ってしまうほうが賢明です。
そして、最も重要なのが、証拠金維持率が激減し始めて慌ててしまわないように、ポジションを建てる前に、あらかじめ許容できる損失レベルを決めて、そのルールに忠実に従って、許容範囲の限界に達しそうになったら、潔く損切りする方が資金を無駄に失わずに済みます。
ルールを決めてルールに従って早めの損切りができると、有効証拠金を無駄に減らして証拠金維持率を下げてしまうミスを抑えることができます。
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