ファンダメンタルズ分析とは、経済指標などから世の中の動きを分析し、為替レートの上下変動を予測するための分析方法です。 前回の第3回目では、注目される経済指標とその活用方法について解説しました。
為替相場は刻一刻と流れており、その中でさまざまな情報が流れており、適時に情報を把握しながら相場の流れを予想しなければなりません。
そこで今回は、ファンダメンタルズ分析に必要な知識として、相場の一日の流れについて学んでいきましょう。
相場を一日の流れでとらえると良い
相場の動きを予想するためには、どんな情報がいつ・どこから流れてくるかを事前に把握しなければなりません。
この国のこの経済指標がいつ発表されるのかを個別に分かっていても、為替相場の一日の流れとしてイベントを把握・整理しなければ相場の流れにスムーズに追いついて行けないでしょう。
相場の一日の流れと各イベント
そこで、為替相場と直結する一日における経済指標の発表とイベントの順番を、相場の一日の流れとし、下記にご紹介しましょう。
下記のように内容を押さえておけば、日々使えるものであり取引の効率性がアップするはずです。
相場の一日の流れ(時間は日本時間、海外で夏時間は1時間遅れる) | |
時 間 | 内 容 |
6:00 | ニューヨーク市場クローズ、ウェリントン・シドニー市場オープン |
8:30 | 日本経済指標が多く発表される |
10:00 | ドル円の公示仲値決定(※1) |
10:30 | 豪州経済指標が多く発表される |
11:00 | クロス円の公示仲値決定 |
12:45 | 日本国債入札結果発表 |
13:00 | 欧州のアーリー・バードが相場へ参加(※2) |
15:00 | 東京オプション・カット(※3) |
15:00~16:00 | ドイツ・フランスの経済指標が多く発表される |
17:00 | ロンドン市場オープン |
17:30 | 英国経済指標発表が多く発表される |
18:00 | ユーロ圏経済指標が多く発表される |
17:30~18:30 | ユーロ圏国債入札結果発表 |
20:00~21:00 | ロンドン市場昼休み |
21:30 | ニューヨーク市場オープン、米国/カナダ経済指標発表 |
22:30 | ニューヨークダウがオープン |
23:00 | ニューヨーク市場のオプション・カット |
5:00 | ニューヨークダウがクローズ |
5:45 | ニュージーランド経済指標が多く発表される |
6:00 | 各アジア市場オープン |
※公示仲値: 各銀行が毎営業日の午前10時頃の外為市場の実勢水準として決める数値(交換レート)、銀行ごとに決めるので、銀行によってちょっとづつ異なるレートになります。
※アーリーバード(Early Bird): 早起き鳥、転じて早起きの人のこと。欧米では、1日のスタートが社会全体でも早く、それに輪をかけて既にオープンしている為替市場に早くから参加するトレーダーが多くいます。
※オプション・カット: 通貨オプションのカットオフタイム(権利行使の最終的な締切時間)のこと。通貨オプションとは、ある特定の通貨を、あらかじめ定められた期間または期日(権利行使期間)に、あらかじめ定められた価格(権利行使価格)で、買う権利または売る権利を売買する取引のこと。
上記のとおり一日を一つの流れとしてイベントを把握できれば『次に何をすべきか』がわかりやすくなるので非常に便利なはずです。
上記では主要通貨である日本円、オストラリアドル、ユーロ、ポンド、米・カナダ、ニュージーランドに関する経済指標発表を載せていますが、それら以外の通貨を取引する場合は、その通貨国の経済指標発表時間を上記の流れ表に入れるようにします。
指標の結果を積み上げて評価する
各項目と内容をチェックするには、前回の「経済指標の見方」で解説した手法を用いて分析・評価します、念のため経済指標の見方をおさらいしておきましょう。
経済指標発表前後では次のポイントをチェックします。
- 発表前の予想数字はいくらだったか
- 発表された絶対数字はいくらか
- 発表数字と予想数字との差異比較
個々の経済指標は直近・最近の結果を『積み上げ方式』で総合的に分析・評価して判断し、毎回行った分析・評価・判断を記録しましょう。
次回の直前に分析のための参考資料にできればトレンドの精査に有効となります。
まとめ
- 一日の流れ表に従ってスムーズな取引作業を目指す。
- 毎日の経済指標やイベントをチェック、分析・評価・判断する。
- 毎回の作業を必ず記録して次回に活用する。
ことを常に念頭に取引を行いましょう。
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