当サイト記事「海外FXでのスワップ運用に適しているマイナー通貨ペアとおすすめの海外FX業者を一挙公開!」でも紹介していますが、FXでの投資法は単に為替差益を狙うだけでなく、スワップポイントを日々稼いでいく方法もあります。
通貨ペア間の金利差を利用するスワップ運用では、金利が高い方の通貨を保有し続けることで利益を増やしますが、ハイレバレッジを得意とする海外FXでは、中長期間ポジションを保有しにくいためスワップ運用が難しいというイメージがあるようです。
しかし、最近は「為替差益+スワップポイント」を効率よく稼げる可能性がある通貨としてメキシコペソの人気が上昇しています。
海外FXでのメキシコペソのスワップポイントは国内FXの4倍~5倍くらいは高く、為替損益の影響も受けにくいエントリーポイントで、つまり、底値近辺で買うことができれば効率よく「為替差益+スワップポイント」をダブルゲットできる可能性があるからです。
ここでは、メキシコペソの人気、今後の見通しやメキシコペソが買い時かどうかを調べる方法、海外FXのスワップポイントが有利な点などを解説いたします。買い時かどうかの判断方法が重要なテーマなのですが、まず、メキシコペソの特徴の解説から進めていきます。
メキシコペソ 人気の理由
メキシコペソの人気が高まっている主な理由としては、
- 米国と隣接し、経済関係が非常に強く、米国の経済成長に伴い『メキシコも成長する』と期待されている
- 天然資源も豊富という強みに加え、メキシコの人口は増えており『伸びしろ』がある
- 政策金利も7.5%と高金利、『高いスワップ』に期待できる
- 高金利通貨の中でも『低リスク』、他の新興国通貨に対してよりも期待されている
- メキシコペソ史上の『底値圏に近く』、上昇への期待が高まっている
が挙げられます。
メキシコの『伸びしろ』が期待されている
近年のメキシコの経済成長は目覚ましく、隣接する米国との経済関係が深く、輸出入の最大の相手国が米国となっています。
メキシコの貿易に占める米国からの輸入は47%、米国への輸出も81%を占めており、米国の長期間にわたる景気拡大に歩調を合わせるようにメキシコ経済も堅調に推移しており、特に2014年以降は米国や日本を大幅に上回っています、以下はIMF発表の経済成長率(%)。
国 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 |
メキシコ | 5.12 | 3.66 | 3.64 | 1.35 | 2.85 | 3.27 | 2.91 | 2.37 | 2.29 |
日本 | 4.19 | -0.12 | 1.50 | 2.00 | 0.38 | 1.35 | 0.94 | 1.71 | 1.21 |
米国 | 2.53 | 1.6 | 2.22 | 1.68 | 2.57 | 2.86 | 1.49 | 2.27 | 2.93 |
また、鉱物資源と原油産出に恵まれていることに加え、下記の通り、人口増加が顕著であり人口動態に基づくと今後も増加し、堅調な経済を後押しする『伸びしろ』に期待されています。メキシコ経済は長期的に大きな成長が予想されており、たとえば、ゴールドマンサックスによると2050年時点のGDP予想では世界5位までに成長すると期待されています。
政策金利が7.5%と高く、スワップ運用の対象として期待されている
下記は主要各国の政策金利であり、メキシコは7.5%です。トルコに次いで高水準であり、南アフリカよりも高く、日本、ユーロ、米国との金利差はかなり開いているのでスワップポイントが付きやすい環境にあります。
高金利通貨の中でメキシコペソのリスクが低いと言われている理由
従来は上記の政策金利表にもあるトルコリラや南アランドの人気が高かったのですが、メキシコペソ人気が高くなっている背景には「カントリーリスクが低い」イメージが強まっている、という理由があります。特に下記の通り、失業率、インフレ率や対GDP比債務残高の面では他の新興国よりも安定しており、その証拠に世界の有力格付け機関の評価も他の高金利通貨国よりもメキシコの格付けの方が高いです。
下記の通りメキシコは他の高金利通貨国のトルコ、南アフリカ、ブラジルよりも雇用財政状況が安定しており、リスクを抑えながらスワップ運用を狙う対象として人気が高まっています。
【失業率、インフレ率、債務残高対GDP比率】
国 | 失業率 | インフレ率 | 債務残高対GDP比率 |
メキシコ | 3.4 | 4.51 | 54.18 |
トルコ | 10.6 | 12.15 | 28.3 |
南アフリカ | 26.7 | 4.5 | 53.1 |
ブラジル | 12.9 | 2.76 | 74.04 |
イタリア | 11.2 | 1.1 | 132 |
日本 | 2.5 | 0.6 | 253 |
【格付け機関によるレーティング】
国 | ムーディーズ | S&P | R&I |
メキシコ | A3 | BBB+ | BBB+ |
トルコ | Ba1 | BB | BB+ |
南アフリカ | Baa3 | BB+ | BBB |
ブラジル | Ba2 | BB- | BBB- |
イタリア | Baa2 | BBB- | A- |
日本 | A1 | A+ | AA |
S&Pはスタンダードプアーズ、R&Iは格付投資情報センター
メキシコペソ史上、底値圏にあり、今後上昇が期待できる
雇用・経済・財政が安定していることに加え、メキシコペソ相場がスワップ運用にも適した環境になりつつあると言われています。下記の過去10年間のメキシコペソ/円相場の推移を見れば分かりやすく、見ての通り赤線で囲っている過去2回の底値圏に達しており、過去2回とも底値から上昇しており、そろそろそ上昇に転じる可能性が高いと期待されています。
メキシコペソは、本当に買い時かどうか?
メキシコペソが上記のような理由で期待されてきていることは理解できても、本当に買い時かどうか?
以下でチェックしてみたいと思います。
下記のように長期間のメキシコペソ相場の推移データを用意します、ここでは、2010年6月~2018年6月までのメキシコペソ/円の相場推移を使用して説明します。
データはInvesting.comのストリーミングチャートなどをエクセルシートにコピペし、下記のように週ベースの推移データを用意します。
買い時を判断する重要なチェックポイントである以下の2ポイントをエクセルの関数計算でチェックします。
- 過去のレートよりも現在のレートがどう低いのか?(本当に底値と判断できるのか?)
- 為替変動率の動向はどうか、現在の変動リスクは有利か不利か?
本当に底値なのかをチェック
底値かどうかを判断するには安値だけの中央値(MEDIANを使用)と現在レートより低い安値のデータ数(DCOUNTを使用)を計算します。なお、この記事を書いている現在のメキシコペソ/円は5.3826円です。
中央値は全データを数値順に並べた中心値なので平均のようなばらつきが生じないので中央値を使用すれば全データ中の中心値がわかります、メキシコペソ/円の場合では中心値を下回っていれば買いの方向となります。
下記のとおり現在レートが安値だけの中央値よりも大幅に下回っており、全データ数426個の内現在レートを下回っているデータは20個しかないので底値圏に来ている可能性が高いと言えます。
メキシコペソ/円 | 安値の中央値 | 安値の全データ数 | 現在レートより低いデータ数 |
5.3826円 | 6.5166円 | 426 | 20 |
為替変動の度合(HV)で変動リスクも評価しておく
過去の全期間、過去1年間、1年前以前の1年間における為替変動の度合(HV:ヒトリカル・ボラティリティ)を標準偏差(STDEVPを使用)によって導き出します。スワップ運用には変動率が低い方が為替損益の影響が少なくなるので変動率の動向までも確認せべきでしょう。
下記の結果では為替変動率が低下してきており傾向としては為替損益の影響を受けにくい環境になっていると言えます。
メキシコペソ/円の為替変動率 | ||
過去1年間 | 1年前以前の1年間 | 過去8年間 |
1.607% | 1.697% | 2.0042% |
上記のチェックによってメキシコペソは底値にきており、為替変動率の面でもスワップ運用に有利に傾いてきていると言えるでしょう。
そして、底値に来ている可能性が高いメキシコペソを有利に運用するには海外FXがおすすめです。
海外FX業者のスワップは国内FX業者よりもおすすめ
国内FXで扱われているのはメキシコペソ/円だけですが、海外FXでは米ドル/メキシコペソとユーロ/メキシコペソが扱われており、同じメキシコペソ絡みでは海外FX業者のスワップの方が大幅に有利でありワップ運用に適していると言えます。
下記のスワップ金利は1ロット(10万通貨)の1日当たりのスワップ金利であり、メキシコペソ絡みのスワップは国内FXよりも海外FXのXM(エックスエム)とAXIORY(アキシオリー)の方が4倍~5倍も高いのでおすすめです。
FX業者 | メキシコペソ/円 | 米ドル/メキシコペソ | ユーロ/メキシコペソ |
FXプライム | 140円 | – | – |
GMOクリック | 115円 | – | – |
ヒロセ通商 | 115円 | – | – |
XM | – | 656円 | – |
アキシオリー | – | 502円 |
また、スワップ金利が有利だけでなく、下記のとおり海外FXで扱われているドル/メキシコペソは2018年4月以降に約10%上昇してきており、2017年1月ピーク時の22.95ペソ位までの上昇余地も考えられています。
一方、メキシコペソ/円は2018年4月以降に約11%下落してきていますが、上記説明のとおり底値圏に達している可能性が高くそろそろ上昇に転じるかもしれません。
このようにスワップ金利が高く上昇余地がある米ドル/メキシコペソやユーロ/メキシコペソと底値から大きな為替差益を狙いながらそこそこのスワップ金利が付く可能性がある日本円/メキシコペソの両方を視野に入れておくべきでしょう。
国内FX口座では日本円/メキシコペソが主体であり、米ドル/メキシコペソやユーロ/メキシコペソは海外FXでしかトレードできないので、まだ海外FX口座を持っていない方はぜひXM(エックスエム)とAXIORY(アキシオリー)で取引口座を開設しておきましょう。
まとめ
- メキシコは世界最強国と隣接、経済的にも密接、人口増加など「伸びしろ」が評価されてきている
- ゴールドマンサックスは2050年時点のメキシコのGDPは世界5位になると予想している
- 政策金利が7.5%と高くスワップ運用に適している
- 失業率、インフレ率、債務残高対GDP比率などが他の高金利通貨国よりも安定している
- メキシコペソ相場史上、底値圏に来ていると言われている
- 上記の中央値データに基づき底値圏に来ている可能性が非常に高い
- メキシコペソをスワップ運用するためには海外FXの方が有利ある
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