【FXニュース】金融庁のレバレッジ規制強化、本当に投資家保護になるのか?

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レバレッジ規制は、本当に必要なのか?

当サイト「国内FXがレバレッジ最大10倍へ規制、海外FXのレバレッジと徹底比較!」において、金融庁がレバレッジ規制を再強化し、国内FXのレバレッジを現行の最大25倍から最大10倍に引き下げる検討に入ったことを紹介いたしました。

今回、この記事では、なぜ、金融庁はレバレッジ規制を再度強化しようとしているのか、その理由を明らかにしながら、本当に投資家保護として有効なのか、投資家のトレードにとって有益なのかを、以下のポイントに整理しながら解説します。

  • 投資家を保護する施策として、すでにロスカットシステムが導入されているのに、規制強化は必要か?
  • レバレッジは、投資に必要な証拠金を下げるので、トレードに失敗しても失う資金が少なくて済む
  • にもかかわらず、金融庁が規制強化を目指す理由は何か?
  • 国内FX業者の取引方式そのものに問題があり、その問題が、ロスカットシステムの弱点となっている
  • ロスカットシステムの弱点を補うゼロカットシステムの導入が有効(追証なしサービスの導入)
  • レバレッジ規制を廃止し、ゼロカットを導入すれば投資家保護になる

投資家保護のためのロスカットシステムがあるのに、規制強化は必要なのか?

ロスカットとは、証拠金残高がある一定水準を下回ると、取引を強制的に決済(終了)させて損失の拡大を防止するものです。ロスカットしてしまうと投資家は、FX業者に「追証」という追加資金を入金しないと取引できないわけですが、ロスカットは投資家の損失を限定し、証拠金以上の損失を出さないようにするためのシステムです。

今回、金融庁が規制強化に乗り出している理由は、日本経済新聞でも報道されている通り(日経記事はこちら)、「証拠金以上の損失を発生させないために最大レバレッジを10倍までに引き下げる」というものです。

そうであれば、証拠金以上の損失の発生を防止するロスカットシステムがすでに導入されており、レバレッジ規制を再強化する必要はないはずです。

失う資金が少なく済むレバレッジは、悪者なのか?

レバレッジを用いると、少ない資金で大きな売買取引ができるので、資金効率(投資効率)を高める手段として有効である反面、あまりにも高いレバレッジ倍率で取引を行うとロスカットしやすくなるもの事実です。

一般的に「レバレッジが高いとロスカットしやすいから危険」として語られることも多いですが、果たして「高いレバレッジ=リスクが高い」という考え方は正しいのでしょうか?

本来、ロスカットそのものが「証拠金以上の損失の拡大を防止=投資家保護」のためのものである以上、どんなにレバレッジが高くても「証拠金以上の損失は発生しない」はずであり、「高いレバレッジ=悪者」という認識は決して正しいものではありません。

また、高いレバレッジでは必要証拠金が少なくて済み、たとえトレードに失敗しても、失う資金が少なくて済むことから「高いレバレッジ=悪者」にはならないはずです。このことは、以下の例を見れば一目瞭然です。

1ドル100円、10,000通貨分の取引金額100万円でレバレッジ25倍と10倍で行う場合に必要な資金は、

  • レバレッジ25倍の必要証拠金=4万円(100万円÷25
  • レバレッジ10倍の必要証拠金=10万円(100万円÷10)

となり、レバレッジ25倍の場合の最大損失は4万円で済むわけです。

このように、レバレッジによって出す資金が少なければ失う資金も小さくなり、その少ない資金がロスカットで守られる、というのがFXトレードにおける「本来のあるべき姿」であり、レバレッジを悪者扱いする必要はないのです。そして、レバレッジ規制の強化は、投資家保護に有効というよりも、むしろ、FX取引の敷居を高くしてしまい、国内FX業界にとってマイナスとなる可能性があるのではないでしょうか。

金融庁がレバレッジ規制を強化したがる理由とは?

では、なぜ、金融庁はレバレッジ規制を強化したがるのでしょうか?

ロスカットシステムは、国内FXにも海外FXにも導入されていますが、基本的にはロスカットが「正常に働けば」、投資家の証拠金の一部が残るので、証拠金以上の損失は発生しないはずです。

にもかかわらず、金融庁がレバレッジ規制の強化を目指す背景には、国内FX業者が採用している「顧客との取引方法」が強く関係しているのです。

国内FXはDD方式が基本だからロスカットが機能しないことがある

国内FX業者は、基本的に「DD方式」という「相対取引」を採用しており、投資家の注文を為替取引市場にダイレクトに流さず、FX業者が注文を受け付けて(呑んで)投資家との「相対取引」を行うものです(DD方式とは、ディーリング・デスク方式のことで、FX業者のディーラーが顧客との取引に関与する方式のことです)。

「相対取引」ではFX業者と投資家が互いに取引相手となるため、「一方が儲かればもう一方が損をする」という利益相反関係になります。国内FX業者は自社が損しないためにカバー先金融機関と売買を行い、有利なレートを引っ張ってきてから投資家の注文レートとマッチングさせることがあり、投資家の注文を為替取引市場で直接マッチングさせるNDD方式よりも時間がかかりやすい仕組みとなっています(NDD方式とは、ノン・ディーリング・デスク方式であり、FX業者のディーラーが顧客との取引に関与しない方式のことで、海外FX業者が採用している取引方式です)。

通常よりも為替相場の変動が大きくなると、取引市場では売買が集中し需給のアンバランスが生じやすく、DD方式では、FX業者は有利なレートを確保して顧客の注文とマッチングさせるのに通常よりも時間がかかりやすくなり、以下のような問題が生じやすいのです。

  1. 投資家が意図したタイミングで決済できず損失が大きくなる
  2. また、売買が集中しFX業者のトレードシステムに負荷がかかるとロスカットの発動が遅れて損失が大きくなる

上記1.については、国内FX業者がスプレッドに関して「原則固定、ただし、相場の急変時などで変動することがあります」という断り文句を付けていることからも明らかです。
上記2.については、ロスカットの発動が遅れる度合いは各業者のトレードシステムの良し悪し次第ですが、必ず問題となっていることです。

つまり、投資家保護のためのロスカットシステムが導入されていても、DD方式とシステムによってその機能が完璧には機能しないことがわかっているので、金融庁はレバレッジ規制を再強化しようとしている、と考えられます。

国内FX業者はDD方式をやめてNDD方式を採用すべきである

上記を踏まえれば、DD方式を禁止し、NDD方式に変えてしまえば解決するのでは、と考えてしまいますが、国内FX各社はDD方式用に独自に開発したシステムを使用しており、システム変更には資金と時間がかかるため簡単に変えられるものではありません。
また、そもそも論として、長きにわたりDD方式を容認してきた金融庁は立場上、取引方式の根本までにメスは入れたくないのでレバレッジ規制の強化の方に走ろうとしている、と考えることもできます。

ロスカットシステムの弱点を補う「ゼロカット(追証なしサービス)」が有効

ロスカットシステムは国内FXだけでなく海外FX業者でも導入されていますが、海外FX業者の多くがゼロカット(追証なしサービス)も導入しています。

ゼロカットとは、証拠金以上の損失が発生しても口座残高をゼロに戻す(カットする)ものであり、追証が発生しないシステムです。

NDD方式を採用している海外FX業者では、投資家の注文は取引市場に直結しディーラーが関与しないことから、上記のDD方式における問題1.は軽減されていますが、同上2.については実際には海外FXでも問題となる部分です。国内FX業者は、この業者側のシステの問題であっても「追証」を請求しますが、海外FX業者は「業者側のシステムの問題は、業者が負担すべき」という考えから証拠金以上の損失が発生しても「追証」を請求しません、つまり、ゼロカットは、ロスカットシステムの不完全な部分を補っているのです。

過去、数多くの相場急変時において、スイスフランショック、ギリシャショック、世界同時株安ショック、イギリスのEU離脱ショックなど細かいものも含めれば数え切れませんが、国内FX業者は必ず投資家に「追証」を請求してきましたが、ゼロカットを導入している海外FX業者は「追証」を請求していません。

ですから、国内FXでもゼロカットの導入が検討されてもいいのではないでしょうか。

レバレッジ規制を廃止し、ゼロカットの導入が本当の投資家保護になる

今回、金融庁がレバレッジ規制の再強化で目指しているのは「証拠金以上の損失を発生させない=追証を発生させない」なので、いっそうのこと、海外FXのようにゼロカットを導入すればレバレッジ規制は不要になるのではないでしょうか。

ゼロカットは証拠金以上の損失=追証を免除するシステムなので、ゼロカットを導入することで投資家を追証から保護することになるからです。そして、レバレッジ規制の廃止とゼロカットを導入するならば、DD方式を禁止し、海外FXのようにNDD方式を取引方式の基本にするべきなのです。

当サイト管理人も長年海外FXを利用していますが、スイスフランショックなどにおいてゼロカットによって追証を免除してもらった経験があるので、ハイレバレッジで攻めるときは攻め、低レバレッジで慎重にポジションをとるといった相場に沿った自由度が効く海外FXを引き続き利用するつもりです。

そもそも、投資のリスクは自己責任で負うべき部分があって当然ですが、もし金融庁が10倍まで下げてしまうと「投資としての魅力」が無くなってしまい国内FX離れが進み、トレーダーが海外FXへ流れるようになると考えられます。

 

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