FRB議長「12月利上げあり得る」、極めて緩やかな引き締め想定

イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は4日、米下院金融サービス委員会で証言し、12月の利上げがあり得ると表明、米景気回復の腰を折らないよう、利上げ開始後は極めて緩やかなペースで引き上げる方針を強調した。

 

「委員会は、労働市場に一段の改善をもたらし、インフレ率を中期的に2%の目標へと戻すのに十分なペースで米経済が成長し続けると想定している」とし、「今後入手する情報がこうした見方を裏付ければ、われわれの声明は12月の利上げが十分にあり得る(live possibility)ことを示している」と言明した。

 

議長の発言は、12月の利上げがFRBの基本シナリオであることを示唆したとも受け取れそうだ。

金融市場では国債利回りが上昇する一方、株価は下落。

市場が織り込む12月の利上げ予想確率は約60%に上昇した。

これまでFRBと市場の利上げ時期予想には開きがあったが、金融市場がようやくFRBの発言を真剣に受け止めている兆しが表れた。

 

議長は指標や見通しが正当化すればと前置きした上で「時宜を得た利上げは賢明な判断だ。なぜなら非常に緩やかかつ慎重なペースで進めることが可能になるからだ」と指摘。比較的早期に利上げを行えば、住宅など主要市場に支障をきたすことなく極めて緩やかな引き締めを行なう余地が生まれるとの認識を示した。

 

その上で「事実上のゼロ金利が長期化したが、市場や国民は時間ともに金利全体がどのような道筋をたどるのかに注目すべきだ。

委員会は極めて緩やかな軌道になると予想している」とした。

 

米経済については「非常に力強く堅調なペースで成長している」としたが、世界経済の弱含みによる影響で一部相殺されていると分析。

「総じて、経済成長と労働市場に対するリスクは安定しているとの見方を変えていない」と述べた。

 

利上げ開始時期をめぐっては、FRB幹部の中でも意見が分かれていることがこれまで表面化している。

とりわけぜい弱な世界経済による米景気下押しを懸念していたブレイナード理事はこの日、「米経済見通しをめぐり一部で勇気付けられる兆候も出ている。

労働市場の改善は非常に安定した」と述べ、従来よりも楽観的な見方を示した。

 

米国経済の70%が個人消費によって支えられていることから、雇用統計が大きく重視されるが、直近の10月ISM非製造業景況指数は、9月結果56.9と予想56.5を大幅に上回る59.2に上昇し雇用は堅調であることを示した。

 

ただイエレン、ブレイナード両氏ともにFRBはまだ決定していないと強調、米経済に関するFRBの想定がデータによって裏付けられる必要があるとの認識を示した。

12月15日から開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)の前に発表されるADP雇用統計、ISM非製造業景況指数、非農業部門雇用者数変化、失業率あたりの重要指数の結果が最も注目されることは間違いあるまい。

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