円が全面高、リスク回避の買い優勢-資源安・株安で世界経済に懸念

東京外国為替市場では円が全面高、原油や鉄鉱石などの資源安を受けて世界経済の減速懸念が予想され、リスク回避の円買いが優勢となった。

8日東京外為市場では、円は主要16通貨全てに対して前日終値比で上昇、対ドルでは一時1ドル=123円06銭と、先週末以来の高値を付けた。朝方は、7-9月期の国内総生産(GDP)改定値の上方修正などを受け123円21銭まで上昇した後に伸び悩んだが、日本株や中国株などアジア株が全般的に下落すると、円買い優勢が鮮明に。

前日のニューヨーク市場では、原油先物相場が2009年2月以来の大幅安になり、米国株のエネルギー関連銘柄などを中心に下落したのを背景にドルが売られたものの、終盤にかけて123円30銭台に戻した。

本日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物1月限はアジア時間の取引で1バレル=37ドル台後半で、前日に付けた安値付近で推移。石油輸出国機構(OPEC)が先週末の総会で、生産抑制を通じた価格コントロールを事実上放棄したことの影響は根強く残っていることは確かである。

本日8日のドル・円相場を総評すれば、原油安や株安でリスク回避的な軟調な展開で、世界経済の減速が意識されつつある中で日本円がリスク回避の買い対象となっている。また、「鉄鉱石価格が下落する中で、豪ドル・円でのロングポジションのアンワインドも、ドル・円を重くしている。世界的に金利が低下しており、為替相場が上がりづらくもなっており、短期的にはリスク回避の動きが広がるかどうかに注意が必要となる可能性もあるかもしれない。

午前に発表した7-9月期の実質GDP改定値は前期比年率1%増、速報値の0.8%減から上方修正され、2期連続のマイナス成長は回避された。財務省公表の10月の国際収支では、経常収支が1兆4584億円と市場予想の1兆5942億円を下回ったものの、16カ月連続の黒字は維持した。

大和証券の永井靖敏チーフマーケットエコノミストは、「GDP改定値は上振れたが、そのほとんどは在庫の上昇修正で説明できてしまう。設備投資は上昇修正されたものの、消費が下方修正されており、見た目ほど強くないとの印象だ。基本的には日本経済は一進一退の状態が続いていると考えている」と述べた一方、「ただ、4-6月期と7-9月期をならすとプラス成長になっており、そこは評価できる」と話した。

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