信用リスクは想像以上に大きい

8月17日付の「中国人民元の切り下げの影響、信用リスクが為替市場に与える影響」という記事でもグローバル市場で膨張しているドル建ての債務の問題を取り上げた。

中国人民元の切り下げは、ドル建て債務を保有する中国にとっては返済額を大きくし、新興国の中にはドル建て債務も増やしてきた国もあることから、人民元の切り下げにより中国を筆頭とする新興国のデフォルト(債務不履行)、つまり信用リスクに結びつく可能性があることを紹介した。

 

ここでは、もう少しグローバル経済における現状抱えている信用リスクの状況についてご紹介したい。

 

8/21に中国の製造業PMIの発表後今回の世界同時株安が始まったが、今後の信用リスクの問題が中国や新興国のデフォルトの可能性だけでなく、実は米国も含めた信用リスクにも気をつけなければならない状況にあるようであり、その内容は以下のとおりである。

 

  • ・米国のハイイールド市場の高利回り債務残高が急ピッチで伸びている、特にシエールガス企業がものすごく資金調達している。
  • ・M&AやLBOも近年盛んであったが、レバレッジド・ローン負債対EBITDA(利払税金支払い前利益)マルチプルも、すでにリーマンショック時の水準にきている。
  • ・CLO(ローン担保証券、サブプライムローンと同じようなもの、下記用語解説)がリーマンショックの頃より膨れ上がっている。
  • ・新興国のグローバルボンド発行がリーマンショックの頃の約3倍に膨れ上がっている。
  • ・新興国のノンバンクのドル建ての借入もリーマンショックの頃の2倍に膨れ上がっている。

 

これらの債務のほとんどはドル建て債権であり、リーマンショックで問題となってしまった債務がその当時よりも大きくなっていることは危険である。

現在起こっている世界同時株安と為替市場の混乱によりさらに返済負担が大きくなってきているわけであり、デフォルトリスクがどのくらいになっているのか注視する必要があるのではないだろうか。

(用語解説)

CLO(ローン担保証券、Collateralized Loan Obligationの略称)

資産担保証券の一種である。金融機関が事業会社などに対して貸し出している貸付債権(ローン)を証券化したもので、ローンの元利金を担保にして発行される債券のことをいう。

CLOは、シニア債・メザニン債・劣後債といった支払優先順位の異なる数種類の債券が組成される。

CLOは、リスク・リターンの選好が異なる様々な層の投資家に対して、投資機会を提供することができ、個別企業の発行する債券にはない投資機会を提供することができるとされている。

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