世界経済秩序の維持がむずかしくなる

中国人民銀行は人民元の基準値を2%切り下げ、それに伴い市場では人民元が急落した。基準値の切り下げにより、低迷する中国の輸出競争力の回復を目指す形となる。

今回の切り下げまでは、人民元レートは米ドルに連動するよう為替介入によってコントロールされてきたため、この1年間で対円では約16.5%、対ユーロでは約15.6%上昇してしまった。
人民元レートの上昇伴い、中国の1~7月の貿易額は対米国は2.8%増であったが、対日本では11.0%減、対EUでも7.5%減となり、中国経済の足を引っ張る結果になった。

中国が人民元の切り下げに踏み切ったのは、輸出力の低下という国内要因があったからに間違いない。しかし、現在、中国は世界第二位の経済大国でありかつ経常黒字国であり、こうした国内要因だけで切り下げたのであれば、中国は諸外国に与える悪影響を無視し、国際秩序を乱す行為をとっていると見做されても仕方がないだろう。

中国が世界第二位になる前の世界経済は、世界最大の経済大国の米国と世界第二位であった西ドイツと日本が協調してその秩序を保ってきたが、政治体制の異なる中国が世界第二位になったことで、米国と協調して国際秩序を保つことが容易ではなくなってきている、と言っても過言ではないだろう。

 

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