ユーロ相場:ECB 追加緩和期待から上値の重い展開

今週11/16~11/20 のレビュー

今週のユーロドル相場は、ECBによる追加緩和期待などから下値を探る展開となって下落したが、10 月FOMC議事要旨等によるドル売りから上昇しました。

ユーロドルは週初に 1.07 ドル付近で寄り付き。

14 日未明のパリ同時多発テロの影響から、16 日東京時間の朝に 1.07 ドルを割り込み下落したが、欧州時間入り後に当該テロがユーロ圏経済に与える影響は限定的との見方が広がり、ユーロ圏株価がプラス圏に戻すとユーロドルも 1.0758 まで反発しました。

ユーロ円はリスク回避の円買いもあって16 日東京時間に 4 月 29 日以来となる 130.66 まで下落しました。

その後は、欧米金融政策格差やユーロ圏株価上昇などを背景としたユーロ売りや、米 10 月消費者物価指数の予想比上振れ等を受けたドル買いなどから、ユーロドルは 17 日に 1.0630 まで下落。

18 日の 10 月FOMC議事要旨で短期の均衡実質金利の引き下げが示唆されたことから、利上げ後の利上げペースは漸進的になるとの見方が広がり、ドル高が失速したことから、ユーロドルは 1.0763まで上昇しました。

来週 11/23~11/27 の予想

来週は、ユーロ圏 11 月製造業PMI(11/23)、独 11 月Ifo景況指数(11/24)、独 10 月小売売上高(11/27)等の経済指標が発表されます。

ユーロ圏景気は原油安や物価下落による実質可処分所得の増加を受けた個人消費の緩やかな増加、ユーロ安を受けた輸出の持ち直しの動きから、景気指標は引き続き良好な結果となるでしょう。

しかし、ユーロ圏景気はリーマンショック前の水準を回復していない上に、物価は前年比+0%付近で低水準にあります。

19 日の 10 月ECB理事会議事要旨においても、ドラギECB総裁による記者会見や議会証言での発言どおり、物価が低水準である背景と物価の下振れリスクが高まっていることに相応の文量が割かれていました。

加えて、追加緩和の手段について、資産買入の規模拡大、デュレーション長期化、期限延長、預金ファシリティ金利の引き下げについて、議論したことが記載されています。

なお、一段のマイナス金利化について金融市場の機能や、銀行と消費者行動を歪めかねないとの議論があったことにも触れています。

米国では、米 10 月雇用統計の良好な結果を受けて 12 月FOMCでの利上げが意識されています。もっとも、10 月FOMC議事要旨(11/18)を受けてドル買いは幾分弱まった。

来週のユーロドルは、ECBによる追加緩和期待と米国の利上げ期待から上値の重い展開が、ユーロ円は日欧金融政策格差が意識されて上値の重い展開が予想されます。

なお、パリ同時テロについては、欧州各国間での国境警備の強化(シェンゲン協定によって欧州各国間の人や物の移動が自由)等が議論されているが、2001 年 9 月 11 日のアメリカ同時多発テロにおける航空機の飛行禁止措置等がなされているわけではなく、当面、ユーロ圏景気への影響は限定的と考えられます。

そのため、金融市場の反応も限られるでしょう。

今週予想レンジ

ユーロドル:1.0500 ~ 1.0850   ユーロ円:130.00 ~ 134.00

海外FX トレーダーの皆様、個人的予想では、11/23に発表されるユーロ圏全体の製造業PMIは前月と市場予想を上回るでしょう。

ドイツのPMIは好調さを見せるでしょうが、フランスなどその他の国は横ばいか低下となるでしょう。

ユーロ圏全体の景気の足並みが揃わない現状から、ECBはドイツ以外のユーロ諸国経済へのテコ入れ策として量的緩和などの追加緩和策をどう構築していくかが今後大きく注目されるはずです。

しばらくはECBの追加緩和策と米国の利上げ観測の両者が綱引きをする形で上値の重い展開が予想されます。

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