ユーロ圏消費者物価速報(2015年10月)

●10月のユーロ圏の消費者物価の速報値は前年比ゼロ%と、半年振りに下落した前月(同▲0.1%)から再浮上した。内訳は、エネルギー価格の下落率が前月並み(9月:同▲8.9%→10月:同▲8.7%)にとどまるなか、コア物価(同+0.9%→同+1.0%)、非加工食品(同+2.7%→同+3.0%)の上昇率 がやや加速し、全体の計数を押し上げた。コア物価の内訳は、エネルギーを除く工業品(同+0.3%→ 同+0.4%)とサービス(同+1.2%→同+1.3%)が揃って上昇率が小幅加速した。
● 発表済みの国別の10月の消費者物価(EU統一基準)は、ドイツ(同▲0.2%→同+0.2%)、スペイ ン(同▲1.1%→同▲0.9%)、イタリア(同+0.2%→同+0.3%)が揃って前月より改善。ここから 逆算して、その他ユーロ圏の上昇率は小幅鈍化した模様。天候不順による食料品価格の上昇がドイツ の計数を押し上げた。イタリアは衣料品価格などが上昇しており、内需回復を反映した可能性がある。
●ハト派的な10月22日のECB理事会を受け追加緩和期待が一気に高まったが、その後は米利上げ観測 も相俟ったユーロ安進行、底堅い企業マインド、コア物価の上昇率加速、中期的な期待インフレ率が 上向くなど、緩和の必要性を減じる材料も目立つ。ただ、コア物価の基調は引き続き弱く、ECBは 低インフレの長期化によるリスクへの警戒姿勢を強めている。また、原油価格の居所に比べて、期待 インフレ率がややオーバーシュート気味で、期待インフレ率の再低下が始まる可能性もある。緩和見 送り時のユーロ高進行リスクも含め、向こう1ヶ月の物価を取り巻く環境を改めて点検する必要がある。
ユーロ圏経済指標
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